親業バックナンバー

Vo12

子どもの反発の背景にあるのは…

Vo11

対立を力関係で解決しない勝負なし法

Vo10

対立を勝ち負けで決めていませんか

Vo9

「話す」だけになっていませんか

Vo8

子供に対する怒りの気持ち、
どうしたらいい?

Vo7

子どもが自ら行動を変える「わたしメッセージ」

Vo6

困ったなと感じる子どもの行動を変えるには

Vo5

問題がおきたらそれはチャンスととらえよう

Vo4 

子どもの問題を親の問題にしていませんか?

Vo3 

子どもを支援する基本はまず聴くこと

Vo2

「学校へ行きたくない」と子供が言ったら・・・
Vo1

イライラしないで子育てしたい

親業講師

親業インストラクター 松永美佐寿

親業インストラクター 
松永美佐寿
(まつながみさえ)


大学を卒業後、電機メーカーの社員教育担当を経て、産業能率大学総合研究所に入社。
社会人向け学習教材の企画・編集を担当した後、フリーライターとして独立。
キャリア開発、人間関係、コミュニケーションなどをテーマに雑誌、書籍の企画、編集、執筆を手がける。
2004年に親業インストラクター(親業訓練協会認定)の資格を取得。
親業一般講座のほか、コミュニケーション研修のファシリテータとしても活動。
みんながハッピーになるコミュニケーションの普及に取り組んでいます。

「親業訓練協会」
松永美佐寿ブログ
おすすめの本

「親業」大和書房 
トマスゴードン著

下記著書の編集にも携わる
友達のつくりかた
「マンガで読む 大人も知らない本当の友だちのつくり方」
講談社
松本啓子、かなしろにゃんこ著

自分らしく生きる幸せのコミュニケーション
「自分らしく生きる幸せのコミュニケーション−人間関係を変える3つの方法」 
みくに出版 近藤千恵著

 
親業タイトル

思春期にやっかいな価値観の対立をどう解くか
親子には、とてもやっかいな価値観の対立があります。ある受講者の方は、中学生のお嬢さんの制服のスカートが短いのが気になり、かなりきつく注意をしたそうです。すると、これまで表わしたことがないくらいの怒りを、お母さんにぶつけてきたといいます。 よくよく聞いてみれば、学校の友だち関係のなかで、スカートの長さが非常に重要な意味をもっていて、このお嬢さんにとっては、それがとても大きな価値をもつものだったのです。
価値観は、好きなことや信条、人生観など、心の中でとても大切にしていることです。その大切にしていることを非難され、「変えろ」と言われても、そう簡単に素直に従えるものではありません。 講座では、相手の価値観を否定するような言葉をかけて、どんな気持になるのか体験してみるということをやります。実際やってみると、ロールプレイとわかっていても、すごく嫌な気分です。大事にしているネックレスをけなされたり、好きで着ている服の色なのに、違う色の方がいいと言われたり…。 「あなたに別に迷惑かけているわけじゃないんだから、余計なお世話」と思います。まあ、1回言われるくらいなら、どうということはないかもしれませんが、会うたびごとにしつこく言われたらどうでしょうか。もうその人の顔を見るのも嫌になるかもしれません。 それでみなさん気づくのは、「ああ、でも子どもにはけっこう平気で言っちゃってる!」ということなんですね。 

 

一方的に押し付けるのは要注意
髪形、服装、ゲーム、まんが、勉強、進路…。小さいことから大きいことまで、親子とはいえ違う人間ですから、価値観の対立はおきて当然ともいえます。もちろん、日常生活の中で、親の価値観は子どもに大きな影響を与えているわけですが、それでも、いろいろな人に出会ったり、さまざまなものに触れるなかで、親とは違う価値観を子どもは獲得していきます。
でも、親としては、自分が大事にしている価値観を子どもに伝えたいし、受け継いでほしいと思います。子どもをちゃんとした社会人に育てたいという親の愛情から、言いたくなることもあります。 しかし、ここで注意しなければならないのは、価値観の対立がおきたときに、力によって親の価値観を一方的に押し付けると、子どもから大きな反発をかう危険性があるということです。特に、親から自立しようとしている思春期には要注意です。親子関係に大きな亀裂が入ってしまうこともあるからです。

 

自らの行動で模範を示す
では、どうしたらいいのでしょうか。ゴードン博士はいくつかの方法を提示しています。一つは、模範を示すこと。日常生活の行動を通して、価値観を伝えていくことです。
ここで気をつけなければならないのは、言っていることと行動が違っていると、逆効果になるという点。

例えば、子どもには「人の悪口を言ってはいけない」と言いつつ、電話口で「あの人ね〜〇〇なのよ」と非難していたら、子どもは何を感じるでしょうか。言うからには自らの行動もということですね。

 

コンサルタントになる
2つ目は、コンサルタントになること。雇いたくなるようなコンサルタントはどういう人でしょうか。 客観的なデータを示して、専門家としてアドバイスしてくれるけれども押し付けない…。つまり、ただダメというのではなく、納得できる根拠、例えば新聞記事やデータなどを見せて、「だからダメなんだ」と伝え、どうするかは任せるということ。
これは労力を必要としますが、なぜダメなのか、親としても考えるいいきっかけになります。毎日ガミガミ言うよりも、ここぞという時に気合を入れて1度だけのつもりで伝える。真剣に向き合うというのは、こういうことなのかもしれません。

 

自分を変えることも方法の一つ
そして3つ目は、自分を変えるということ。模範を示すことやコンサルタントになることは、子どもの価値観に影響を与えようというアプローチですが、親の価値観や態度を変えることも解決の一つの方法です。
子どもと話し合うことによって、親が価値観を変化させることも不可能ではありません。また、価値観を変えないまでも、子どもの価値観を受け入れる態度をとることはできます。

 

聞くことを忘れずに
いずれにしても、子どもと対話するときは、「能動的な聞き方」と「わたしメッセージ」を使います。子どもが反発や抵抗を示すと、「あなたのためを思って言っているのに、なぜわからないんだ」と、ますますこちらの価値観を伝えたくなりますが、そうすると子どもはますます反発

するかもしれません。
どんなに受け入れがたいことであっても、まずは一歩ひいて子どもの言い分を聞いてみる。話すモードから聞くモードへのギアチェンジ。これをぜひ忘れないでくださいね。