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今回は、「学ぶ」・「楽しむ」・「ワクワク感」を大切にしたキッズイベントを企画・運営しているフューチャー イノベーション フォーラム(FIFkids)で、事務局を担当しているフューチャーアーキテクト株式会社 経営企画本部マネジャー FIF事務局長岡安夏世子さんとシニアスタッフの小船有紀さんにお話を伺いました。

 

■FIF kids の取組み

渡辺: まず、フューチャー イノベーション フォーラムについてお話しいただけますか。
岡安: フューチャー イノベーション フォーラムは、2006年1月から活動を開始しております。フューチャーアーキテクト(以下フューチャー)の会長、金丸が、社会貢献に取り組んでいこうと考え、取引先等、お付き合いのある企業のTOPの方々に声をかけ、賛同をいただいて立ち上げたのがフューチャー イノベーション フォーラム(FIF)という団体です。幹事会社であるフューチャーが事務局を担当し、会員の方々に向けて、セミナー・ワークショップという形でITをテーマに活動する一方、未来を担うこども達に向けて何か出来ないかと活動を始めて、今年で4年目を迎えました。

渡辺: こども向けとしては、具体的にはどのような活動をされているのですか?
岡安: 小学校の高学年から中学生の、ちょうど考えることを始めるこどもを対象に、イベントを企画・開催しています。イベントの一つに、実際にこども達にパソコンの組み立てをしてもらうITらぼという企画があります。フューチャーはITコンサルティングの会社で技術を大切にしており、新人研修のカリキュラムの一つにパソコンの組み立てがありますので、それをうまくこども向けに出来ないかと。今のこども達は身近にパソコンやゲーム機、携帯電話があり、使い慣れている子が多い。でも、使う前には必ず作る作業があるということを伝えられないかと考えました。もう一つは、アドバイザリボードの皆様が企業のトップの方々なので、その強みを活かして、企業の現場に行って働くことを体験する。働くことはどういうことか伝えることが出来ないかと考え企画しています。

渡辺: すばらしい内容ですね。企画は事務局を中心に?
岡安: 社内にボランティアを募り、チームを組んで進めています。ただ私たちはこども向けのイベントに関しては、まったくの素人でしたので、どういったことから始めればいいか分からず、いろいろな方に相談しました。たとえば企業見学プログラムでは、学校の先生にアドバイスをいただいたのですが、学校で行う社会科見学のときに一番多い感想が、「働くって大変」、「大人って大変」ということ。後は「楽しかった」で終わるそうです。働く事は大変なこともあるけれど、やりがいがあって、楽しいことでもある。見学をして楽しかっただけでは終わらないような、何かを持って帰ってもらえるような内容に出来るといいねと、考えました。

渡辺: 社内のボランティスタッフということですが、社員の方がボランティアで参加しているのですか。
岡安: はい、いまFIFの活動を支えているのは、社員や内定者です。イベントごとにチームがあり、だいたい1チーム10名ぐらいのスタッフで取り組んでいます。先ほどお話ししたパソコンの組み立ても、当日教えるのはそうしたボランティアスタッフです。

渡辺: 私が特にいいなと思う点に、対象を小学校の高学年から中学生にしたこともあります。キッズドアを通じてこども関係の活動をして気がついたのは、就学前のこどもに対しては、妊婦さんから始まって、イベントやサービス等、いろいろあるんですね。さらに、高校生、大学生になるとリクルーティングと直結するので、こちらも様々なサービスがあります。本当に将来の為を考えるのでしたら、先ほどおっしゃられたように、考え始める小学校の高学年から中学生と思うのですが、未就学時期が終った後、パタッとなくなるんです。キッズドアも小学生・中学生を対象にやっているのですが、その世代に向けてやっているのがすばらしいと思います。
岡安: ありがとうございます。はじめるに当たり考えたのは、プログラムをきちんと理解してやってくれる年代。そう考えると、小学校の低学年では少し早すぎる。また、親御さんと離れた形で、こども達の力だけでする体験も必要だなと思っていたので、それができて、しかもこちらが伝えたことを理解してやってくれる高学年に落ち着きました。

渡辺: 企業見学の事例を紹介していただけますか。
岡安: 座学だけではなく、現場での実体験を大切にしています。両方をバランスよく組み合わせて、会社を知ることはもちろん、働いている人を知ることが出来るようなプログラムを考えています。
小船: 例えば、ご協力いただいている企業の一つに佐川急便様があります。自分の手元まで荷物が届く仕組みを分かってもらうにはどうしたらいいだろうと考え、集配先の企業にご協力頂き、こどもだけで、実際のオフィスに荷物を届けたり、荷物をお預かりしてきたりという、まさにセールスドライバーのお仕事を体験してもらっています。緊張する分、達成感や満足感も大きいようで、やりがいがあって楽しかったという感想が多かったですね。

岡安: また、小さいころから企業のTOPと触れ合う機会を作ろうと、わがままなお願いをして、どのプログラムでも会長や社長に質疑応答で30分くらい時間をとっていただいています。他には出来ない、FIFらしさを大切にしています。

渡辺: こども達がタンカーに乗る企画もありましたよね。
岡安: 新日本石油様の協力が決まり、先方からこども達をぜひタンカーに乗せたいと提案がありました。実際に乗ってみないと大きさはわからない。体験しないとわからないと。でもタンカーは船なので(笑い)、入港をコントロールするには限界があります。関係各所のご尽力のもと祈るような気持ちで当日を迎え、奇跡的に実現しました。実際に私も乗りましたが、こんなに大きいのかと驚きました。また、最先端の研究をしている研究所や国内最大規模の製油所も見学させていただきました。研究所では新しいエネルギーや原油から新素材を作る研究をしている、製油所ではタンカーで運んだ原油からガソリンをはじめいろいろな製品を作っている、といったことを教えていただき、エネルギーについてトータルで学べるプログラムになりました。最後に新日本石油の会長に子どもたちからの質問にお答えいただき、また「高い目標をもって立派な人になってください」という激励をいただきました。

渡辺: イベントに参加したこどもたちの様子や感想はいかがですか。
岡安: 最近、こども達が大人に会う機会が減っていると思います。家庭だと、両親やおじいちゃんおばあちゃん、学校や塾の先生くらい。イベント当日は現場で働いている方々、先方企業やFIFのスタッフなど、様々な大人に触れ合います。大人ってこういう風に働いている、大人ってこうなんだと、働くことを身近に感じてくれているようです。また、こどもだけで取り組むとか、グループでの共同作業も取り入れるなど、一生懸命考えたり取り組んだりしてやり遂げた楽しさも体験できるようにと企画しています。楽しい、面白いという感想だけでなく、企業のフアンになった、将来このような技術者になりたい、という声も多く聞かれます。

渡辺: フォーラムという形でいろいろな企業と一緒になってやっているというのが、一つの会社の社会貢献事業としてやっているのと、大きな違いだと思いますが、それについては何か思いはありますか?
岡安: 1社ではできることが限定されてしまいます。いろいろな企業が参加しているフォーラムだからこそ様々な取り組みが出来ると思っています。

渡辺: 大分、仙台の企業ともイベントをされましたね。
岡安: 大分銀行や七十七銀行から、社会貢献事業として実施したいというお話をいただき、パソコンを部品から組み上げる「パソコン組み立て教室」を開催しました。当初このプログラムは機材の準備から参加者集めまですべてFIFで担当していたのですが、長く続けていくには費用面でも人材面でも負担が大きすぎました。そんなときに、先ほどのお話をいただき、検討の結果、銀行で機材と参加者を用意していただき、FIFはスタッフとノウハウを提供するというような共催で実施することができました。

渡辺: 面白いやり方だと可能性を感じます。
小船: 活動拠点が東京で会員も都内の方が多いので、なかなか地方でのイベントは難しいのですが、実際にやってみるとニーズを感じますし、なるべく地方に行かなくてはと思っています。

渡辺: 最近では、申込が多く抽選になることもあると伺いましたが、ここまでの道のりで一番苦労されたことは何ですか?
岡安: いろいろありますが、一番苦労したのは、参加者を公募しても集まらなかったことですね。本当につらくて(笑)

スタッフもやる気があって、受け入れ先の企業にも協力いただき、このプログラムはいけるぞ、内容もいいのが出来た、と思っていても、こどもが集まらない。初年度は特に胃が痛くなるような毎日でした(笑い)。応募いただく方々には申し訳ないですが、抽選するまでになったのが夢のようです。

渡辺: やっと認知していただけたと。
岡安: 最近は親御さんから昨年実施したイベントは今年もありますか、いつですかという問い合せもいただき、すごく嬉しい。

渡辺: これからの目標はありますか。
岡安: せっかく始めた活動で、好評いただいている企画も多いので、何とか長く続けていかなくてはいけないと思っています。そのためには、今回の大分銀行、七十七銀行のように、共催してくださる企業を探すとか、参加する側にとっても運営側にとってもハードルが高い、一日がかりのイベントだけでなく、短時間で、気軽に参加できるようなイベントも作る。またFIFを認知していただくためにも、いろいろな企業が参加するような大きなイベントに出展して、FIFの活動を見ていただくことも必要と考えています。

渡辺: キッズドアもこのような活動をより多くの方に知っていただくお手伝いや、良質の出展の場所のご紹介など、いろいろな面でご協力させていただければと思っています。
事務局はもちろん、協力する企業も大変だと思いますが、一年の中で一日だけこども達の為に、という企業が増えていくと、こうしたイベントが増える。結果として、参加出来るこどもも増えてくる。それが企業の文化として定着すれば、次世代を担うこども達に、とてもいい影響があると思います。
岡安: 現在スタッフはフューチャー社員と内定者が中心ですが、将来的にはいろいろな方にボランティアとして参加してもらい活動に広がりを持たせられたらとも思っています。こどもはもちろん、スタッフにとっても参加して楽しめる、やりがいのある活動になれば理想的です。

渡辺: ぜひ長く続けていただき、次世代を担うこども達を育ててほしいと思います。
岡安: 10年後に、FIFのイベントに参加したのがきっかけで、「こうなりました!」と言ってもらえたら嬉しい。そのためにも自分達でできることを、こつこつと積み重ねていきたいと思っています。

 

取材協力;
フューチャーアーキテクト株式会社
フューチャー イノベーション フォーラム
FIF kids

文・米元恭子

FIFkidsの2009年夏の募集がはじまりました!
「『社会の最前線』見学〜エネルギーの最前線」
「『社会の最前線』見学〜医療現場の最前線」
詳細はコチラ

 

−インタビューを終えて

岡安さんとの出会いは、昨年の夏のFIFkidsのプログラムを、キッズドアでご紹介させていただいたご縁です。1年前は「どうやって子どもを集めましょうか?」というご相談をしていたのが、今では抽選になるような人気プログラムになったということで、私も大変うれしいです。これからも、素晴らしいプログラムの実施を期待しています。

第5回ゲスト

株式会社CSKホールディングス
村田香子さん

第4回ゲスト
フューチャーアーキーテクト株式会社
岡安夏世子さん
第3回ゲスト
明治乳業株式会社
弥吉転さん
第2回ゲスト
株式会社ビサイド
肘井哲也さん
第1回ゲスト
東京文花座
浅井一芳さん
   
   
 

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