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今回は、こどもたちの創造性や表現力を引き出す、さまざまなワークショップを開発・実践している、株式会社CSKホールディングス 社会貢献推進室 村田香子さんにお話を伺いました。

 

渡辺:CSKグループが、社会貢献事業として、こどものワークショップを始められた経緯から伺いたいのですが。


村田:創業者である故、大川功が「こどもたちが情報化社会の創造を先導していく」という考えを具現化しようと、けいはんな学研都市(京都府)に「大川センター」を設立しました。もともと大川は、こどもたちにとても期待をしていて、95年には世界中のこどもたちが未来への提言を行う「ジュニアサミット」を開催しています。


渡辺:大川さんが次世代を育てたいという思いを持っていたということですね


村田:そうですね。21世紀を担うこどもたちの育成に社会貢献活動として取り組み始め、活動の拠点として「大川センター」を設立したのですが、残念ながら大川はオープン1ヶ月前に逝去してしまいました。大川の遺志を引き継ぎ「CAMP(Children’s Art Museum & Park)」という名称で01年から様々なワークショップの開発・運営をしています。


渡辺:具体的に「CAMP」の活動内容を教えてください。


村田:小学生・中学生向けのワークショップを開発・実践しています。また、ワークショップの運営マニュアルやスタッフ育成、機材等をパッケージ化し、ニーズのある団体へ提供していく普及活動にも取り組んでいます。


渡辺:対象となる年齢は小学生・中学生ということですね。


村田:はい、CAMPのワークショップはグループでの共同作業が盛り込まれています。未就学のこどもたちには難しいかなと思います。


渡辺:象徴的なプログラムはありますか?


村田:活動を始めた頃から行っている「クリケットワークショップ」。乾電池式の小さなコンピューター(クリケット)と身の回りの素材を使って動くおもちゃを作ります。紙や布、木の実やたわしといった200種類くらいの素材と、プログラミングによって動くクリケットのモーターやセンサーを組み合わせながら、自由な発想を形にしていきます。

渡辺:コンピューターの名前がクリケットなんですね。今でこそ、こどもたちもコンピューターに慣れていますが、始められた当初はいかがでしたか?こどもたちが作れるものですか?


村田:01年から始めていますが、ぜんぜん! 出来ますよ(笑い)。


渡辺:ワークショップの時間は?


村田:4時間というのが多いですね。他には、丸一日かけるものや三日間連続でやるものもあります。


渡辺:4時間は長いですね。こどもたちは飽きませんか?


村田:低学年のこどもたちの時には休憩を入れることもありますが、高学年は4時間ぶっ通しでも大丈夫です。うまくファシリテーションしてこどもたちにスイッチが入ると集中して取り組んでいます。
渡辺:ワークショップを開発するにあたり大切にしていることはありますか?
村田:「創作体験や共同作業、作品の発表を通じて、こどもたちが楽しみながら自分に合った表現方法を見つけ、コミュニケーションの輪を広げていく」これがCAMPワークショップのコンセプトです。


渡辺:CSKグループは情報サービス企業グループですよね。やはりコミュニケーションが大切と考えられているのですね。


村田:そうですね。創業者の大川は、コンピューターの可能性に早く気づき事業を興しましたが、人を育てることにとても力を注いだ経営者です。会社の基本理念は『人がすべて』。『めぐり合いを大切に』『技術の前に人ありき』『人生は感動の歴史で綴れ』と話していたそうです。その大川の考え方が根底にあると思います。


渡辺:創作体験・共有・コミュニケーション、そういったものを作り出すことを目的にしたワークショップということですね。「クリケットワークショップ」以外にはどのようなワークショップがありますか?

村田:連歌のようにお話をつなげていく『デジカみしばい』 、未知の植物を空想力で育てる『くうそう・しょくぶつ・図鑑』等々、これまでに約40くらいのワークショップを開発してきました。CAMPのワークショップは、作品をきれいに作りあげることを目的にしていません。完成させることよりも、完成までの間に起こる様々なこと、プロセスに重点を置いています。自分たちで楽しんで「考える」。それをもとに試行錯誤しながら「つくる」。活動を通して友達と「つながる」。その体験を「発表する」。そして、今日感じたことや体験を自分自身で「ふりかえる」。この5つの要素が含まれています。


渡辺:運営は社員の方が?


村田:はい。ワークショップをデザインする開発チームと普及チームに分かれていて、大川センターにいるのが開発チーム。東京の普及チームはグループ会社の社員と一緒にワークショップを開催したり、日本のあちこちへ普及活動に飛び回ったりしています。


渡辺:何名くらいスタッフがいるのですか。


村田:開発スタッフが3名。東京の普及チームは4名ですね。


渡辺:会社として、CAMPに力を入れているということですね。ワークショップのときのスタッフはどうしているのですか。


村田:CAMPでは、ワークショップの時間をこどもたちと一緒に過ごすスタッフを「ファシリテーター」と呼び、4時間以上の研修を受けてから実践に入ってもらうようにしています。研修には、有志の社員が参加してくれるほか、ワークショップに関心のある学生の方等も来てくださいます。

渡辺:一般に公募しているのですか。


村田:Webにひっそり(笑い)とアップしているだけですが、どこで聞いてくださるのか、一般の方も申し込んでくださっています。


渡辺:こどもたちがCAMPのワークショップに申し込みたいと思ったら、定期的に開催しているのは?


村田:東京で毎月やっているのは、東京大学本郷キャンパスの福武ホールです。後は秋葉原ダイビルでも年に数回開催しています。

京都の大川センターでは月に2回ほど開催しています。ワークショップやファシリテーター研修の参加募集に関しては、http://www.camp-k.com/otona/home/ に随時掲載していますので、確認して申し込んでいただけたらと思います。


渡辺:私が、おもしろい取り組みと思っているのが「CAMPACO キャンパコ」です。


村田:「CAMPACO キャンパコ」は、全国どこででもCAMPワークショップが開催できるように開発されたワークショップパッケージです。大川センターで開発したワークショップを何回も開催して自分たちの納得のいく内容までに出来上がったら、必要な機材や運営マニュアル、ファシリテーターの育成プログラムをパッケージとして仕上げ、ミュージアムやNPO、大学の方等々へ貸し出しています。


渡辺:「CAMPACO キャンパコ」を作られた意図は。

村田:大川センターでの実践だけですとその近隣のこどもたちしか体験できませんが、ワークショップをパッケージにして提供すれば、いろいろな地域のこどもたちにもっとたくさん体験してもらえると考えました。


渡辺:問いあわせや要望はありますか。


村田:おかげさまでたくさんのお声をかけていただいています。今までに全国で40ヶ所くらい、ミュージアムや大学、児童館等で開催されています。
渡辺:貸し出すに当たって基準はありますか?


村田:はい。まず、小・中学生向けに開催していただくこと。非営利であること。それと、ファシリテーター研修を受けていただくこと。CAMPのワークショップ名称を使っていただくこと。


渡辺:いろいろな地域でこのワークショップが開催されると、とてもいいと思います。参加したこどもたちの感想は? どのような声が聞かれますか。
村田:新しい友達が出来てよかった。発表が楽しかった。というのが多いですね。

渡辺:発表が楽しかった、というのは、象徴的ですね。CAMPワークショップの空間がいいんでしょうね。今のこどもたちって学校の中でも気を使っていて、ちょっとしたことでも仲間はずれになってはいけない、と思っていることが多いんですよ。


村田:ワークショップに参加している間は自分が空想したこととか、アイデアを自由に話してもらいたいし、それを促す場でありたいと思っています。こどもたちには、失敗してもいいんだよ、失敗したら工夫できるからとも話しています。人と違うことを言っても、違うことをしても否定されないということが分かると、こどもは安心していろいろできるようです。


渡辺:今の日本で欠けていることに、こどもを優しい目で見るとか、大切に育てなければという思い。皆がそのような思いを持つことが大切だと思います。皆がそう思える社会になるといいですね。今後の目標は?


村田:一つには、CAMPワークショップが開催される地域を増やしていきたいですね。また、参加したファシリテーターやスタッフの感想を聞くと、こどもからすごくいい刺激を受け、勉強になったと話しています。参加してくれるファシリテーターをもっとたくさん育てたい、とも思っています。できれば地域で代々受け継いでくれればいいですよね。
CAMPワークショップに参加したこどもが今日や明日に何か変わるというわけではないので、すぐ目に見える効果はありませんが、こどもたちがワークショップでの経験をもとに、いろいろなことを楽しんで出来るようになってくれたらいいですね。そして、いつか大人になったときに参加したときのことを思い出してくれて、自分がファシリテーターをやってみようと戻ってきてくれたら…、嬉しいです。

取材協力;
株式会社CSKホールディングス
CAMP

文・米元恭子


−インタビューを終えて
以前から、ずっと注目していたCSKさんの「CAMP」。
ひとつひとつのワークショップが、とてもよく作り込まれており、
ツールや材料の完成度の高さも群を抜いています。そこには、創業
者 大川功氏のこどもたちへの思いと、しっかりとそれを引き継い
で日々活動なさるご担当者の熱意があってこそ!なのだと、取材を
通してあらためて実感しております。「キャンパコ」が全国に広
がって、日本中のこどもが良質のワークショップを受けられるよう
になる、キッズドアでもそんなお手伝いが少しでもできたらと思わ
ずにはいられません。

第5回ゲスト

株式会社CSKホールディングス
村田香子さん

第4回ゲスト
フューチャーアーキーテクト株式会社
岡安夏世子さん
第3回ゲスト
明治乳業株式会社
弥吉転さん
第2回ゲスト
株式会社ビサイド
肘井哲也さん
第1回ゲスト
東京文花座
浅井一芳さん
   
   
 

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